民進党は28日、2018年度NPO関連予算のヒアリングを党本部で開き、NPO関係者など約100人が参加した。このヒアリングは、新年度の政府予算のうちNPOに関連する予算(NPO等が事業主体となることができる予算を含む)について、各NPO・NGOをはじめとする関係団体を対象に、各府省庁の担当者が直接説明を行うもの。
ヒアリングはNPO推進ネットの高比良正司理事長、名越修一常務理事の進行で、外務省、環境省、内閣府、復興庁、法務省、農林水産省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省の担当者から2018年度のNPO関連予算に関して説明を聞いた。
高比良理事長は開会時のあいさつで、現在5万1802団体あるNPO中、税制上の優遇を受けられる認定NPO法人がおよそ1千団体しかないことについて、「ほんの一部しか税制優遇を受ける位置にない、言い換えると公益性が認知されていないということ」だと述べた。
NPO予算の課題に関しては、従来はおお括りの予算項目の内数として扱われることが多く、NPOが実際にどのくらいの予算を確保できるかを把握しにくい状況だったが、明確な予算額の提示を繰り返し求めるなかで内数方式は改められ、予算規模が把握できるようなったとして「随分改善が進んだ」と評した。また、補助金として計上されるNPO予算には、県や市との共同負担型となっていて、国が予算を組んでも地方自治体で予算を組まないと採用されない事業があったが、この点の改善も進み、全額国が負担する形が見受けられようになったと説明した。
改善が見られない課題としてはNPO予算申請の公募締め切り時期が1、2、3月と比較的早いことから、政府予算が確定する時期に迅速に準備をしなければ間に合わないと述べ、ヒアリング参加者に「来年度も視野に入れながら準備してほしい」と要請した。
同ヒアリングは民主党、民進党と受け継がれて15年間毎年開催しており、その様子や資料は民進党ウェブサイトでも公開している。高比良理事長は「全国に報告できる有難い公開ヒアリングの場だと思っている。政党の分裂などもあってやきもきしているが、われわれNPOはしっかりと地に足をつけて活動しながら進めていこう」と呼びかけた。
あいさつに立った大塚耕平代表は、「NPOや新しい公共を担う組織で活躍される皆さんがこれからの日本社会にとって本当に重要な立場にあることが、社会全体で認知されてきている。われわれの政権のときに新しい公共という概念を打ち出したが、役所ではさまざまな施策をするうえでNPOの皆さんのサポートがなくては事業が進んでいかないと実感していると思う。NPOが発展することを祈念し、われわれも努力していく」「NPO、NGO、新しい公共の担い手の皆さま方が予算面でも過不足なく仕事ができ、活躍できる社会を作り上げていかない。その方向になるように努力をさせていただきたい」と述べた。「公党がこういう機会を持つことの意義は続くので、引き続きわれわれとしては努力を重ねていきたい。大きな意味での政党の系譜は変わりはないので来年以降、このヒアリングは続けていくことをお約束する」などとも語った。
動画と資料
ヒアリングの動画と配布資料は以下でご覧いただくことができます。