衆院予算委員会で17日、安倍内閣の基本姿勢・社会保障等に関する集中審議に民進党の7番手として質疑に立った福島伸享議員は、財務省近畿財務局が大阪府豊中市野田町の国有地を近隣国有地の価格の約1割の値段で学校法人「森友学園」(大阪市)に売却した問題を取り上げ、追及した。

 森友学園への国有地売却をめぐっては、2015年2月、さまざまな異論があるなかで国有財産近畿地方審議会は国有地を小学校用地として同学園に10年間貸し、その間に同学園が買い取ると買受け特約を付した有償貸与契約を締結。その後同学園が土地改良、埋設物撤去工事等を実施するなかで16年3月、杭打ち工事を行う過程で新たな地下埋設物が発見されたとの連絡を受け、財務局は現地を確認。その10日後に同学園から財務局に対して本地を購入したい旨連絡があり、1億3400万円で売買契約を締結した。近畿財務局は、当初不動産鑑定評価額9億3200円だったものが8億円以上差し引いた額となったのはごみ撤去関連費だと説明している。

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 福島議員は、この国有地売却の経緯を確認したうえで、8億円以上のごみ撤去関連費の内容を尋ねたが、財務省の担当者は「廃材やプラスチック、生活ごみ等々」と答えるのみ。福島議員は「有害な土壌を除去するための法律の対象になるものかどうか、本当に除去が必要かどうかを精査するのは国の役割だ。国民の税金で買った国有財産を、安全か危険かも判断しないのはおかしい」と批判。加えて、同学園の設置が基準を満たさずに認可された可能性にも触れ、「脱法的な疑いがある」と指摘した。

 同学園の名誉校長が安倍明恵総理夫人であることや、小学校設立に向けての寄付金依頼に当たっては、「ご寄付を賜りました方には安倍晋三記念小学校の寄付者銘板にお名前を刻印し、顕彰させていただきます」との文言があったことにも言及、「不当に国民の財産である国有地が不当に安く売られ、学校設置に便宜が図られ、寄付金集めにも総理の名前が出され、学園のホームページに夫人が出るというのは、多くの国民は疑問を感じると思う。もっと慎重にすべきだ」と強く求めた。

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