ご来賓の皆様におかれましては、大変お心のこもった叱咤激励を頂戴いたしましたことに、私からも御礼を申し上げたいと思います。
 また、ご招待をさせていただきました皆様、全国各地からご参集いただいた代議員の皆様、そしてお集まりいただいた全ての皆様に、党の幹事長としても心から御礼を申し上げます。ご多忙の中、本当にありがとうございました。

 先ほどの大会議長のご発言にありましたように、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故から6年の月日が流れました。私たちは決して記憶を風化させることはありません。真の復興を果たすため、引き続き被災者に寄り添い、再生に向けて取り組む皆さんを、党一丸となって支援していくことが、民進党の方針であることをまず冒頭に表明させていただきます。

 では、党大会議案の報告・提案をさせていただきます。
 昨年の3月27日、民進党結党直後から党本部、都道府県連、地域組織が旧政党の垣根を越えた結束を固める取り組みを進めながら、同時並行で国政補選、参議院議員選挙を戦い抜きました。特に参議院選挙で、市民の結集を軸として、野党が連携することによって、11の1人区で勝利したことから、「一強体制」とも言われる政治の現状にくさびを打ち込む一つの道筋を見出すことができました。そして、9月には、党員・サポーターも参加した代表選挙で蓮舫代表を選出し、「人への投資が未来をつくる」との確信のもとで、「FOR NEXT」キャンペーンに着手いたしました。
 先ほど代表が申し上げましたように、民進党は、これから教育の無償化やエネルギー政策の進化、「人への投資」を掲げてまいります。さまざまな困難に直面しながらも、それを乗り越えようとする人々、地域の新しい活性化に挑戦する人々などと一緒に現実を変えていく、「FOR NEXT」キャンペーンを全国で展開するとともに、地域の中で、あるいは地域と地域を結ぶネットワークをつないでまいります。
 政策活動においては、ウェブ会議等によって地方組織とも十分に連携して、政策を磨き上げながら、綱領に掲げる「自由」「共生」「未來への責任」を政策や法律案として具体化します。安倍政権への対立軸を明確に提示することによって、民進党が政権交代可能な政党であることを国民に示します。特に「人への投資」を前面に出した経済政策の具体化に力を尽くします。

 国会の論戦は、選挙における有権者の判断に直結します。残業代ゼロ法案や「共謀罪」法案、カジノ実施法案など重要法案は徹底した審議を求めます。

 そして、天下りあっせん事件、多くの国民が不審に思い、憤りを感じている国有地の不正払い下げ事件についても徹底的に追及し、全容を国民の前に明らかにしてまいります。

 なお、皇位継承等につきましては、皇室典範改正による恒久的制度化という我が党の論点整理を踏まえながら、国会の自発的な取り組みとして議論を深め、各政党が協力し合って、法制化できるよう真摯に取り組んでまいります。

 政治決戦の本年、衆議院の解散・総選挙に備え、選挙を勝ち抜く態勢づくりに全党の英知と資源、そしてあらん限りの情熱を投入します。
 補完政党も取り込む安倍政権の強大化に歯止めをかけるためにも、国民からは野党が力合わせをしていくことも求められています。その場合、我が党としての政策の柱を立て、政策の一致点を最大限に確認することを前提に、市民との絆を軸とした野党連携の強化を加速します。

 具体的な選挙対策としては、衆議院定数の過半数に及ぶ候補者擁立、候補者の活動を総点検しながら底上げを図る支援、野党連携を実現する他党との調整協議を実行します。なお、候補者擁立と野党連携については、当選者数の最大化へという視点から総合的に判断してまいります。

 また、100に及ぶ小選挙区で、区割りが変更される見込みです。事前に情報を収集・検討することにより、区割り変更後を見据えた迅速な対応を図ります。

 また、本年は多くの知事、政令市長選挙や東京都議会議員選挙など、地方選挙がめじろ押しです。党の足腰を強め、向かい風にも揺るがない体質へと変えることが極めて重要であり、そのためにも各都道府県連の強化とともに、総がかり態勢構築に取り組みます。議員・候補者が街頭に立ち、車座の集会を開き、有権者の声に耳を傾け、政策を伝える、その積み重ねで有権者の信頼を取り戻しましょう。この1年、全党が粉骨砕身、本気の活動をやり抜いてこそ我が国の政治の道は開けます。

 今年度の党員・サポーター登録数については30万人を目標に掲げ、各組織の取り組みの点検を通じて組織基盤の強化を図ります。
 また、自治体議員局においては、自治体議員からの要望・意見を集約するプロジェクトチームを立ち上げ、課題解決に向けた調査研究を行うとともに、党本部との問題意識の共有を図ります。

 各種団体との連携強化も重要な取り組み課題です。今国会の重要課題である「働き方改革」について、連合としっかり連携して、過労死ゼロ社会の実現を目指した全国的なキャンペーンにも取り組みながら、真に働く者の立場に立った改革実現に取り組みます。また、年金・子育てなどの社会保障制度や、奨学金問題、消費税の軽減税率問題等の課題も関係団体と双方向の議論を行い、党の政策や活動に反映していくとともに、支持拡大に取り組みます。また、経済界、産業界、宗教界を初め、各分野の団体、NPO、市民団体などと積極的な対話を進め、新たな連携・協力関係を構築するために取り組みを強化いたします。

 当たり前のように女性が政治の場に参画することが、我が国の政治を、社会を、暮らしを豊かにするために必要不可欠であります。民進党が既に提出しているクオータ制導入を可能とする公選法改正案成立のために、各党・各会派に審議を呼びかけるとともに、国民的な議論を喚起いたします。党内においても、次期統一自治体選挙における女性候補者倍増を達成するために、各地域における女性政治家養成スクールセミナーの開催を促進します。また、WS基金の活用や、女性議員ネットワーク会議を通じて女性候補の擁立を積極的に支援いたします。

 社会の変化、情報環境の変化を踏まえ、機関紙、ホームページ、ソーシャルメディアなど目的と対象を明確にした広報を実施いたします。機関紙「民進プレス」は、情報の深掘りやまとめ読みができる情報紙へ進化するための紙面刷新、月刊化等の改革を行います。LINEなどSNSの活用や、若者イベントなどへの参加などを通じたPR活動を行い、また学生部立ち上げに向けた準備を進めます。さらに、国際広報も充実させ、民進党の理念や主張を正確に発信することで、国際的なプレゼンスの向上に努めます。

 党の予算・決算については、この会議に先立って開催された財政小委員会でご議論いただき、ご承認いただいております。一言で言えば、年内にもあり得る衆議院総選挙に備える選挙シフト予算です。同時に、選挙勝利の必須条件でもある地方組織の強化に重点を置きました。これらのために経常経費を見直し、不急の経費は徹底的に縮減した予算編成を行いました。野党第一党の民進党は、巨大与党に挑み続け、政権交代可能な政治の一方の極となる責務を負っています。その責任を果たすべく、予想される選挙を踏まえたぎりぎりの予算となっていることをご理解いただければと思います。

 最後に、特に申し上げたいことがあります。
 昨年、私たちの仲間であり、名古屋市議会議員であった日比健太郎君を失いました。自ら白血病と闘いながら、骨髄移植がしやすい社会づくり、ドナー登録制度の普及を訴え続けた彼の思いを私たちは決して忘れません。

 そして奥様の日比美咲さんは、志半ばで倒れた彼の軌跡を、その意思を見事に継承されたことを、同じ党にいる者として誇りに思います。日比美咲さん、この会場にいらっしゃると思いますが。

 ありがとうございます。あらためて会場の皆さん、日比健太郎君と美咲さんへのエールを拍手で送りたいと思います。

 日比君は今も、これからも、我々の心の中に生き続けていきます。民進党は、全ての白血病患者が骨髄移植をできる社会を目指し、全国で推進運動を展開するとともに、政策提言を取りまとめます。

 以上を申し上げ、幹事長としての報告と提案とさせていただきます。
 ご承認いただきますことをお願いいたしますとともに、衆議院総選挙を初めとした各種選挙の必勝に向けて、全党結束して取り組んでいただくことをあらためてお願いを申し上げます。

 ありがとうございました。