参院本会議が28日夕、開かれ、2018年度政府予算、国・地方の歳入関連法案が与党等の賛成多数で可決・成立した。採決に先立ち、民進党・新緑風会の小西洋之議員が政府予算に対する反対討論に、古賀之士議員が所得税法等改正案の反対討論にそれぞれ立った(写真上は古賀之士議員)。
■2018年度政府予算への小西洋之議員の反対討論
小西議員は反対の理由の根幹として「本予算の内容の当否の以前に、もはや安倍内閣は、憲法に基づき予算の国会議決を求めそれを執行する行政府としての正統性が認められない」「財務省決裁文書の改ざん事件は、議会政治の存続そのものを破壊する暴挙」だと指摘した。
そのうえで、虚偽と違法によって民主制の原則を踏みにじる安倍政権の「改ざん政治」は本予算の中にも見出せるとして(1)科学的な調査分析なく労基法の例外制度を導入する高度プロフェッショナル制度(2)憲法9条の戦力不保持違反のおそれがある長射程巡行ミサイルの取得費用(3)実現可能性のない財政健全化(4)中間層等に対する所得税の改悪(5)現実乖離と言わざるを得ない保育処遇改善策――等を列挙。「空疎なスローガン政治を繰り広げるのではなく、民進党は一人一人の生活の向上を実現するため、人への投資と地域活性化を社会経済政策の柱を置く」と主張した。
■所得税法等改正案への古賀之士議員の反対討論
古賀議員は「今の政府には税を語る資格はない」「税への信頼は政治によって大きく揺らいだ」として、財務省による決裁文書改ざん問題に対する安倍総理、麻生財務大臣の対応を問題視。「あきれるほどの厚顔無恥と言わざるを得ない」と断じた。
「嘘を真実としてしまう国、歴史が止まってしまう国に、いったい誰が、税金を素直に納めようとするか」とも述べ、改正案の反対理由としては(1)「働き方改革」を掲げる一方で、実際にはサラリーマンに負担を求める理念なき不公平増税であること(2)政策効果の乏しい所得拡大促進税制を改組という、その場しのぎを続けること(3)税収確保のため安易なたばこ税増税が行われること――等を挙げた。「暗闇を照らす公文書という光がなくなれば民主主義は死んで国は内側から腐る」「しかし民主主義が死に瀕している危機感は安倍政権にかけらも見られない」と指摘し、国を、民主主義を守るため安倍総理は即刻退陣すべきと求めた。